葬ろう部

いろんなことを書き記し葬っていくブログ

おじいちゃんから初めてのLINE

時々覗く近所の居酒屋はおじいちゃんばかりだ。

って話は何度かしていると思うのだけど、

ここのお店で二人、LINEを交換したおじいちゃんがいる。

 

一人は毎日いる地元の役をいろいろやっていて料理もマメに作る

この店の主ともいえる80代のおじいちゃんKさん。

もう一人は土曜日にいつも3人組でいる陽気な70代のおじいちゃん。

そのどちらも「交換しよー」と言ってきたくせに、既読にならないし

なんなら一度も返信来たことがない。という有様だったのだが

先日、KさんからLINEが来た。

 

「どうですか?よかったらお店に来ませんか?」と。敬語で。

 

初めて来たLINEにちょっとびっくりして

 

「どうしましたか?何かありましたか?少しだけ顔出しますね。」

 

と返事をした。そしてもんもんと考える。

向こうから誘ってくるなんて珍しいな。

わしはもうだめだって泣き言か?

それともお見合いの話か?

なんて想像しながら徒歩2分のお店に顔を出す。

 

店に着くなり「ここ座れー」ってKさんに案内された席で

おりこうさんな私は察しました。

 

私の席の隣に居たのはこの店最高齢の90歳近いおじいちゃん社長。Mさん。

この人も何度かお会いしたことはあって、会うと一杯おごってくれたり

ワインを開けると私のところにも一杯くださる紳士で粋な人。

 

持病があるようでたまに車いすだったりするけど、

一度、迎えの奥さんが事情があって来なかった時に一人で帰るというので

危ないので道路横断するところまで車いす押してあげたこともある。

 

そのおじいちゃん社長の隣に案内された意味は・・・ようは

 

話し相手になれってこと

 

Kさんは「俺のウイスキー飲みゃええでー」と自分が呼んだから気を使ってくれるし

Mさんも「私が一杯奢ります。ママ、お姉さんにハイボールあげて」とお姫様待遇。

 

一番端っこの席には私と同じ年の常連さんで、ちょっと苦手な人がいて、

浮かれるおじいちゃんたちをいつもの冷ややかな目で見ている。

まあこの人はいつもこんな感じなのでほかっとくw

 

そんなこんなで自分の役目はわかってる。

わたしゃホステスかいな。と思いつつも、人と話すのは嫌いじゃないし

必要とされたのならそれはそれで嬉しいのだ。

そうしてMさんの昔の恋バナを聞き出しりたわいもない話をして

いつものごとく2杯飲んで1時間ほど滞在してお金は使わずに帰りました。

 

後日ママやKさんに「ありがとうね。Mさん楽しかったって喜んでたよ。」と聞き

こんなことでも私が役にたったかと。

私も私でただ酒飲んでお話して、Mさんはこれまた褒め上手なので

「本当にお綺麗です。」などと敬語で言ってくれるしでいい思いをした。

 

たかが居酒屋。酒の席での話。それでも

「話して楽しかった。」

「来てくれてありがとう。」

「あなたがいると場が明るくなる。」

なんて言われると、自分はここに居ていいんだなーと思える。

 

おじいちゃんにしかモテませんが。

うちの息子の嫁にというありがちなセリフはよく聞きますが。

色気もときめきもないけれど心が温まる場所だな。

 

ご近所にあってよかった。

 

居場所がない。という思いはここに葬ります。